M&A体験記

第10話 事業計画書と企業概要書(IM)

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第10話 事業計画書と企業概要書(IM)

■事業計画書

資料が概ね揃ってきたところで「事業計画書を仕上げましょう」と
藤波さんから呼び出しをくらう。
私の提出したレジュメ程度の事業計画書では薄いらしい。

会社の過去は決算書を見れば一目瞭然だそうだ。
ただし企業の未来は決算書からは分からない。

ベンチャーキャピタル(VC)から投資を受けるためのバラ色の事業計画を
作成する必要ないけど、少なくとも今期や来期に会社がどのようになるか
くらいはイメージできないと買い手候補の食いつきが悪いらしい。

藤波さん主導のもと事業計画書を作る。
私はヒアリングを受けるだけだが結構大変。
社員同士や業界内の人間だとアウンの呼吸で「あれ」で通じるが、
全く伝わらない。
業界用語やその業界でのあたりまえが通用しないのだ。
会社の業務を第三者にしっかり理解してもらう大変さが身に染みた。

しかし資料作りを通じて自分が創業した会社を客観視することができたのは収穫だった。
自社がまだまだ成長余地があることを再認識したし、詳細な行動計画は戦略的に有効だ。
また企業を客観視する視点は投資家としては必要不可欠。
資料作成では手間はかかったが、今後引き継ぐスタッフたちへの羅針盤にもなるはずだ。

■企業概要書(IM)

事業計画書と同時進行で進んでいたのが企業概要書作り。
またの名をインフォメーションメモランダム(IM)。

このIMを作る作業を「案件化」するとも言います。
お見合いでいうところの釣書みたいなもの。
よくできたインフォメーションメモランダムができると会社も売約しやすいらしい。
藤波さん率いる新日チームがたくさんの書類を見ながらIMを作成してくれました。

このころ頻繁に出てくる言葉が「エビデンス」
日本語でいうところの証拠や根拠。
IMを作成するにあたり相当な量の質問やエビデンス資料の提出を求められました。
その単語自体が嫌いになるほど求められたエビデンス。

ここまでのM&A準備は気力・体力ともに激しく消耗した期間だった。
しかしIMが出来てからはほぼ藤波さん達にお任せする自動運転のようなもの。
会社の内容をほぼ把握した彼らの動きはここからが速かった。

 

第11話に続く

このブログは実話ですが、プライバシーの保護のため、登場人物の名称・団体名・設定は多少変えてあります。

 

ABOUT ME
hmandacom
20代で創業し二十数年、会社は右肩上がりに成長。 順風満帆なある時、次の目標達成のため引退を決意。 さまざまな方法を考えた結果、M&Aでファンドに事業譲渡。 現在は引継ぎも含め、会長として在任中。 社長を退いた後も会社は増収増益を続けている。 投資と遊びでセミリタイア中の筆者がM&Aをやってみて 良かったこと、悪かったことをつぶやいています。