M&A体験記

第13話 ネームクリアとトップ面談

 

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第13話 ネームクリアとトップ面談

ネームクリア

前回でいったん資料作りはひと段落した。

ここから会社の内容をほぼ理解した後の彼らの動きは加速する。
早速買収に興味のありそうな企業にコンタクトを行い、複数の企業の紹介や相談を受ける。M&Aが次の段階に進んだのだな、と実感する。

前回の打合せから数日後、藤波さんから連絡あり。
3社からNDA(秘密保持契約)をいただいたとの報告。

「でかした!」

ここでネームクリアしIM(企業概要書)を開示に進む。

4社に情報を開示 → 3社からオファーあり → 堅い方からトップ面談の
予定が
矢継ぎ早に決まる。
なんだかM&Aらしくなってきた。

 

トップ面談へ


それから数日後、うれしはずかしトップ
面談の日。

 

まずは一番に返事をいただいた1社目O社との面談。
O社は同業種ではないが隣の畑って感じの業種の大手。
畑違いではあるがシナジーは取れそうな会社。

この時は藤波さんのオフィスでご対面。
実は先方もM&A初めてということでお互い緊張して配慮しながらのお見合いでした。
藤波さんに上手くファシリテートしてもらったが、ふわっとしたTOP面談だった。

もちろん私も初めてだったし、まだ次の候補がいると思ってたので強気だったかな。
M&A初めて同士だとあまりうまくいかないような気もした。
まさにお見合いです。

 

数日後、次の2社目P社とのTOP面談。
P社は関東の政令指定都市にある上場企業だ。

待ち合わせの駅にP社の担当部長2名がクルマで待っていた。
まず店舗見学からということで展開されている2店舗を視察し、
その後に本社に伺い社長と面談した。

なごやかな雰囲気で話は進みお土産をいただきその日は終了。
緊張したけど手ごたえは良かったと思う。

 

最後は3社目Q社。
これも藤波さんのオフィスでのご対面。
Q社の社長とは挨拶もほどほどに合併後の話が中心となった。
会社の引き継ぎ方やスタッフの今後のことにまで及ぶ。
驚いたことに私の私の処遇(給料、働き方)まで決められていた。

「てか、まだ売るって決めてない・・・」
と思いながらもその場をやり過ごす。
言葉には出ないが買う側の”買ってやる”的な態度が透けて見える。
私の被害妄想かもしれないがそんな気がした。
「こことはご一緒出来ないな」それが感想だった。

 

M&Aを進めてから初めて嫌な気持ちになった。
私の引退もさることながら、会社やスタッフにとって今まで以上の成長のために環境を作るのが今回のM&Aの目的。
売った後に子会社扱いされるようなところとは組むつもりはない。
腹の中で「買ってやる」と思われて売るつもりはさらさらなかった。

M&Aは会社同士の結婚。
お相手探しはあせらず慎重にいくしかないな。

この頃から少しM&Aへの考え方が変わってきた。

 

第14話に続く

このブログは実話ですが、プライバシーの保護のため、登場人物の名称・団体名・設定は多少変えてあります。

 

ABOUT ME
hmandacom
20代で創業し二十数年、会社は右肩上がりに成長。 順風満帆なある時、次の目標達成のため引退を決意。 さまざまな方法を考えた結果、M&Aでファンドに事業譲渡。 現在は引継ぎも含め、会長として在任中。 社長を退いた後も会社は増収増益を続けている。 投資と遊びでセミリタイア中の筆者がM&Aをやってみて 良かったこと、悪かったことをつぶやいています。